「Universal Sounds of America」 Various Artists
黒人アーティストの中には時に、独特の宇宙観を持った人々が見受けられる。有名な所だとサン・ラ周辺やPファンク一味、それにアフリカ・バンバータなども加えてもいいかもしれない。
それらは、シアトリカルともいえる仮装なども含み、見るものにかなりエキセントリックかつ奇天烈な印象を与える。彼らがどこまで本気なのかは量りかねるところだか(願わくば全力で本気であって欲しい。)、このような独自の宇宙観は黒人の民族的なルーツから来るものなのだろうか。この辺のことを突っ込んで研究すれば面白そうなのだが・・・・・・・
さて、このコンピだが、僕が所謂スピリチュアル・ジャズに興味を持ちはじめた時に、その筋の友人に入門盤として薦められたものだ。しかし、ジャケを見てお分かりのとおりこの作品の裏テーマは“宇宙ジャズ”だ。(と勝手に思っている。)
まずは、アート・アンサンブル・オブ・シカゴの「テーマでヨー!ヨー!」に送り出され半狂乱のまま大気圏を突破。ファラオ・サンダースの「アストラル・トラベリング」を聴きながらチル・アウト、ふわふわと宇宙遊泳を楽しむ。
おっと!いけない、こんな時間だ、マーカス・ベルグレイブの「スペース・オデッセイ」のファンキーなベースラインにのって宇宙旅行へ出発!そして、バイロン・モリス・アンド・ユニティーのピアノの音が迫り来る危険を予感させ、緊張感を高める。そう宇宙人のお出ましだ!!
でも、安心。彼らは友好的だった。みんなで肩を組みまるで「ウィ・アー・ザ・ワールド」さながらに声を合わせ、仲介役を買って出た土星人サン・ラーと、彼の愉快なアーケストラが演奏する「スペース・イズ・ザ・プレイス」を合唱して大団円。
と、まぁざっとこんな内容です。
そういえば先ごろ元Livedoor取締役の人が20億円もだして宇宙旅行に行くとか報道されていたけど、もっと格安でまるでB級のSF映画のようにファンキーな宇宙旅行が楽しめるというのにもったいない・・・・・・